研究課題/領域番号 |
18770006
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
遺伝・ゲノム動態
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研究機関 | 中部大学 (2007) 京都大学 (2006) |
研究代表者 |
後藤 友二 中部大学, 生命健康科学部, 助手 (70362522)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2007年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2006年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | X染色体不活性化 / ヘテロクロマチン化 / ヒストンメチル化 / ヘテロクロマチン |
研究概要 |
ゲノム中で、転写される遺伝子領域は真正クロマチン構造を、残りの大部分の不活性な領域はヘテロクロマチン構造をとっている。ヘテロクロマチン化による遺伝子の発現抑制の極端な例として、哺乳類のX染色体不活性化がある。しかしながら、ヒトの場合、不活性X染色体は全体がヘテロクロマチン化され、ほぼ全ての遺伝子の発現が抑制されているにも拘らず、数個の遺伝子では不活性化を免れ転写が維持されていることが知られている。本研究では、不活性化を免れる遺伝子領域での真正クロマチンとヘテロクロマチンの境界部位を同定し、ヘテロクロマチン化を阻止し、真正クロマチン構造を形成・維持する共通メカニズムを探ることを目的とした。 ヒトUBE1は不活性化を免れる一方で、その4kb上流のRBM10は不活性化を受けていた。従って、この4kbの領域にヘテロクロマチンと真正クロマチンの境界が存在することになる。そこでRBM10からUBE1までの領域のヒストン修飾をクロマチン免疫沈降法で調べた結果、不活性X染色体上に見られるヘテロクロマチン特異的なヒストンH3K9、H4K20のtri-メチル化がUBE1の上流2kb辺りで著しく減少していることが検出された。さらにクロマチンインスレーター因子であるCTCFの免疫沈降により、これらヘテロクロマチン特異的な修飾が減少している領域にCTCFの結合が認められた。これらCTCF結合部位のDNAのメチル化を調べたところ、CTCFの結合が見られる不活性X特異的な脱メチル化が認められた。以上の結果から、不活性化を免れる遺伝子のクロマチン構造は、DNAの局所的な脱メチル化によるCTCFの結合によってクロマチン境界構造が形成され、ヘテロクロマチン化が遮断され、転写が維持されていると結論した。
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