研究課題/領域番号 |
18770018
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生態・環境
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
竹垣 毅 長崎大学, 大学院・生産科学研究科, 助教 (50363479)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2007年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2006年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 配偶者選択 / 性淘汰 / 魚類 / 子の保護 / 卵食 / フィリアルカニバリズム / 進化 / 行動生態 |
研究概要 |
昨年度の野外調査で巣内の保護卵の発生段階が、雌の配偶者選択(発眼卵の回避?)と保護雄の卵食行動に影響すること(未発眼卵の選択的卵食?)が示唆された。本年度はこの2点を検証するために(1)巣内の保護卵を異なる発生段階の卵と入れ替える野外操作実験と、(2)保護卵の発生段階を操作して、雄の卵食の選択性を調査する水槽実験を行った。 結果1)予想に反して、発眼卵→未発眼卵(日齢1日以内)の入れ替えではほとんどの雄が卵を獲得できず、未発眼卵→発眼卵の入れ替えで高い卵獲得率を示した。つまり、雌は発眼卵を避けて産卵しているわけではなく、前日に卵を獲得した巣あるいは雄を選んでいると考えられ、雌のコピー戦術の可能性が強く示唆された。 結果2)水槽実験の全てで保護雄による卵食が確認され、そのうちの半数で未発眼卵がより多く卵食されたが、統計的に有意な選択性は検出されなかった。すなわち雌が発眼卵のある巣への産卵を避けるのは、他魚種で報告されているように、自身が産み付けた未発眼卵が選択的に卵食されるからではないことが示された。 結論)雌は雄および産卵巣のサイズに関わらず(投稿準備中)、卵の死亡率の低い巣の中央と奥部に産卵スペースの空いている巣を産卵場所として選んだ(J. Zool., in press)。また、雌は、雄の配偶履歴(前日に卵を獲得した雄)に依存した配偶者選択を採用しており、他雌の産卵行動のコピーかあるいは同一雌の連続産卵(テスト産卵など)の可能性が示唆された。
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