候補となるコンストラクトを多数作製した。cRNAをin vitro transcriptionにより合成し、アフリカツメガエル卵(xenopus oocyte)にインジェクションし、テストコンストラクトの発現を確認後、2電極による膜電位固定実験(Two electrode voltage clamp; TEVC)と光電子増倍管(PMT)を用いた蛍光測定を同時に行い、蛍光シグナルの膜電位依存性の評価を行なった。ほとんどのテストコンストラクトで無反応であったが、僅かな電位依存的応答を見せるコンストラクトが見つかった。しかしながら、その振幅は極微小であり、そのまま実用的に使える物ではなかった。しかし、今後の展開で、実用的なものにまで発展する可能性も残されていると考えている。また、そのシグナルが直接に膜電位に応答したものなのか、あるいは二時的環境要因の変化に起因するものなのか、調べる必要がある。この検証を厳密に行なう事は難しいが、二時要因としては、pHの可能性が最も高いと思われるので、例えばpHに対する感受性が異なる変異体などを使い、その結果を精緻に比較する事で、ある程度の推測が可能であると考えている。現在、信号は極微でも、細胞性理学的には興味深い現象を捉えているので、残りの時間で、出来るだけ詳細な検討を行ないたい。このような現象の理解は、優れた性能のプローブの開発に今後役立つと考えている。
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