研究課題/領域番号 |
18770085
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
構造生物化学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
八木 宏昌 大阪大学, たんぱく質研究所, 助教 (70332749)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2007年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2006年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 蛋白質 / 核磁気共鳴 / 構造解析 / ATPase |
研究概要 |
分子モーターとして知られているH^+-ATP合成酵素は回転触媒機構を有する。その制御のメカニズムを構造生物学の観点から明らかにすることを目的とした。細菌や葉緑体におけるF_1-ATPaseのεサブユニットは、F_1複合体中でC末端ドメインが大きく構造変化することによってATP加水分解反応の活性調節を行っている。また近年、単離した好熱菌由来のεサブユニットにはATPが結合する事が報告された。今年度我々は、好熱菌F_1-ATPaseのεサブユニットとATP複合体のX線結晶構造を1.9Å分解能で決定した。得られた構造はC末端ドメインの二つのヘリックスが折りたたまったfolded-stateであった。ATPは新規結合モチーフI(L)DXXRAと三つのアルギニン、一つのグルタミン酸で認識され、N末端ドメインとC末端ドメインの中間に位置しC末ヘリックスの位置を固定するように配置されていた。またNMRによってC末端ドメインの溶液構造をATP存在下、非存在下で決定した。ATP存在下では、結晶構造と同様に二つのヘリックスは折りたたまっていために対し、非存在下では折りたたまないことが判明した。緩和解析の結果、ATP存在下では顕著な運動性を示さなかったのに対し非存在下では高い運動性を示すことが分かった。以上の結果から、εサブユニットのC末端ドメインはATPの濃度変化に対応してarm-likeな運動を行い、それがATP加水分解反応の活性調節に寄与しているということを提案した。
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