研究課題/領域番号 |
18770103
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
機能生物化学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
松井 敏高 東北大学, 多元物質科学研究所, 講師 (90323120)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2007年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2006年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | ヘム代謝 / 反応機構 / 酸素活性化 / 酸素センサー / ヘムオキシゲナーゼ / 反応メカニズム / 新規代謝物 / シグナル伝達 |
研究概要 |
ヘムオキシゲナーゼ(HO)は、ヘム代謝(一酸化炭素・鉄・ビリベルジンへの分解)を触媒する酵素であり、多くの重要な生理機能を担っている。また、近年我々は、生理的に可能な条件においてHOがビリベルジンとは異なる新規生成物(含硫ビリベルジン)を与えることを見いだしている。本研究ではHO生理機能の解明に向けて、通常HO反応のメカニズム解明、および、新HO反応の解明を試みた。 通常反応についでは、その律速反応と考えられているベルドヘム中間体の開環機構を検討した。アルキル過酸化物を用いた反応解析から、Fe-OOH型ベルドヘムが活性種であることがほぼ確実となり、20年来のメカニズムの議論に終止符を打つことに成功した。新反応については、前年度に開発した合成法を基に新規生成物を大量調製し、その構造決定および定量法を開発した。また、抗酸化能の測定により、新規生成物が通常のヘム代謝産物と同等の活性を持ち、動物細胞の細胞防御能を向上させることを明らかにした。さらに、新HO反応は通常のヘム代謝反応とは全く異なるメカニズムで進行することを解明し、機構変化から予想される通り、酵素活性およびヘム代謝物が酸素濃度依存的に変化することを示した。HOは生体内の酸素センサーとして機能することが報告されているため、酸素依存性の変化はHOの生理機能に大きな影響を持つと考えられる。 以上、本研究で得られた成果により、HO反応の詳細を明らかにしただけでなく、新たな生理機能発現機構を提案するなど、生物学的にも重要な知見が得られた。
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