研究課題/領域番号 |
18770137
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生物物理学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
小柴 琢己 九州大学, 理学研究所, 准教授 (70403970)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2007年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2006年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | リポ多糖認識蛋白質 / Factor C / 生体防御機構 / 自然免疫 / グラム陰性菌 / 血球細胞 |
研究概要 |
本研究では、カブトガニ顆粒細胞のリポ多糖(LPS)認識により誘導される生体膜融合を通じて、生体防御の分子機構を理解することを目標とした。カブトガニの顆粒細胞は、大腸菌やサルモネラ菌などのグラム陰性菌表層主成分であるLPSに対して非常に敏感に反応することから、何らかのLPS受容体が顆粒細胞上に存在し、その後の生体防御機構へとつながると以前から考えられてきた。平成18年度において、研究代表者らはそのLPS受容体がセリンプロテアーゼ前駆体であるFactor Cである事を突き止め、そのLPS認識において分子のN末端領域に存在する領域がLPS結合に寄与していることを明らかにした。 この結果をもとに平成19年度においては、この結合の物理化学的な特性、ならびにその生理的な意義について調べた。まず、このLPSとの結合に必須なFactor CのN末端領域(約300アミノ酸)を昆虫細胞にて、組換え蛋白質として発現させ、その後の精製を行い、LPS(Lipid A)との結合をBIACOREにより測定した。この組換え蛋白質は、非常に強くLPSとの結合を示し、得られた結合定数は約5x10^<-9>(M)であった。次に、この組換え蛋白質を用いて、Factor CとLPSとの結合にDominant Negativeな働きをするかについて免疫沈降法により、解析を行った。その結果、組換え蛋白質濃度を増加していくにしたがってその結合を阻害することが示された。これらの結果は、Factor CのN末端領域が直接的にLPSとの結合に働き、Factor Cの機能発現に大きく関与している事を示したものである。
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