研究課題/領域番号 |
18770182
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
細胞生物学
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研究機関 | 独立行政法人理化学研究所 |
研究代表者 |
小瀬 真吾 理化学研究所, 今本細胞核機能研究室, 専任研究員 (90333278)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2007年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2006年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | Importin β / 核内輸送 / 分子シャペロン / 核-細胞質間分子輸送 / importin / 分化 |
研究概要 |
核-細胞質間の分子輸送は、主に運搬体Importin βファミリー分子によって厳密に制御されている。タンパク質の細胞内局在と機能は密接に関連しているため、タンパク質の細胞内局在化機構の解析は非常に重要である。ヒトには、核-細胞質間を往来する機能タンパク質が推定1万種近く存在するが、運搬体分子が判明しているのは3%ぐらいにすぎない。そこで、本年度は、輸送基質同定のための新しいアッセイ系の構築と分子シャペロンhsc70の核内移行の解析を行った。 Importin βファミリー分子は非常に弱いイオン強度下でも疎水性カラムに効率よく吸着する。よって、疎水性カラムにより、細胞抽出液からImportin βファミリー分子を比較的高い選択性で吸収することができた。この運搬体分子欠損細胞抽出液のみでは、セミインタンクト細胞における核-細胞質間の能動的タンパク質輸送を再構築できない。しかし、リコンビナントImportin βファミリー分子を加えることで、任意の輸送経路のみを再構築することが出来た。この系は特定の輸送経路で運ばれる輸送基質の同定に、今後有用である。 Hsc70は、熱ショックストレスに応答し、細胞質から核に移行する。我々は以前、hsc70が核内に移行することにより、幾つかのImportin βファミリー分子の核から細胞質へ移行が促進されることを示していた。しかし、その詳細な分子機構は不明であり、hsc70の核内移行機構も不明であった。そこで、上記解析系を用いて、hsc70の核内移行解析を行った。Hsc70の核内移行はRanGTPにより強く阻害されたが、どのImportinもhsc70の核内移行を促進出来なかった。Ran依存的であるが、Importin βファミリー非依存的である輸送経路はこれまでに報告がなく、非常に興味深い結果である。
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