研究課題/領域番号 |
18780034
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用昆虫学
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研究機関 | 宇都宮大学 |
研究代表者 |
岩永 将司 宇都宮大学, 農学部, 准教授 (40400717)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2007年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2006年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 昆虫 / ウイルス / 遺伝子 / 慢性感染 / 培養細胞 / タンパク質 / カイコ / 相互作用 / 植物 / ベクター |
研究概要 |
2005年に研究代表者らが発見した、カイコ培養細胞に共生するRNAウイルス(Bombyx morimacula-like latent virus; BmMLV)は、これまで樹立されたあらゆるカイコ由来培養細胞に共生することが代表者らによって明らかとなっている。これはウイルスの感染実験を行う上で、ウイルスフリーの培養細胞系が無いことを示し、BmMLVの感染増殖機構の解明において、大きな支障になっている。そこで本年度は先ず、農業生物資源研究所と共同で、BmMLVの慢性感染していない新たな培養細胞の樹立に取り組んだ。その結果、BmMLVフリーの新たな培養細胞の作出に成功し、BmVF(Bombyx mori virus free)細胞と名付けた。作出したBmVF細胞へBmMLVの感染実験を行った結果、BmMLVは感染後36時間で、BmVF細胞内においてCPタンパク質を産生し、更に感染後72時間においては感染性を有する新たなBmMLV粒子を培養上清中へ放出することが明らかになり、BmVF細胞はBmMLVへ感受性を有することが示された。更に、BmMLVを慢性的に感染させたBmVF-MLV細胞を構築し、その性状を調査した結果、BmVF-MLV細胞はBmVFに比べて細胞の増殖レベルが低い一方で、致死性のカイコバキュロウイルスに対してはより早い感染症状を示すことを明らかにした。これは、致死性のカイコバキュロウイルスと慢性感染性のBmMLVが何らかの相互作用をしていることを示唆しており、ウイルスーウイルス間の相互作用を示し非常に興味深い。一方で、本BmVF細胞がカイコバキュロウイルスへ感受性を示したことは、現在実用化されているカイコバキュロウイルスを用いた発現系へ本細胞が利用可能であることを示すことから重要であり、本細胞の特許出願を農業生物資源研究所を中心に行った。
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