研究課題/領域番号 |
18780039
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用昆虫学
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研究機関 | 独立行政法人農業技術研究機構 |
研究代表者 |
植原 健人 農業・食品産業技術総合研究機構, 北海道農業研究センター北海道畑輪作研究チーム, 主任研究員 (30355458)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2007年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2006年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | ジャガイモシストセンチュウ / トマト / 網羅的遺伝子発現解析 / 生物間相互作用 |
研究概要 |
ジャガイモシストセンチュウ(Globodera rostochiensis)は、ナス科作物に極めて大きな被害を及ぼす農業上重要な植物寄生性線虫である。シストセンチュウの寄生メカニズムは感染の初期に寄主と線虫の間で複雑な認識・応答の反応が認められる。昨年度は、Serial anaIysis of gene expression(SAGE)法を行い、線虫寄生根に特徴的に発現する遺伝子群を見いだした。今年度は、それらの寄生根で特異的に発現している遺伝子の中で、特に注目に値する複数の遺伝子の発現解析を行った。それらの遺伝子は植物ホルモン誘導性遺伝子かつ側根形成に関与するRSI1、機能は解明されていないが、器官の発達や病原体の反応によって誘導されるBURP domain containing protein、細胞壁に関係するpectin eaterase、さらに病害虫に反応するSubC29、 Sn-1、 Protenase inhibitor II、Multicystatinの7つの遺伝子である。それらをPCRによって増幅し、クローニングし、塩基配列を決定した後、RT-PCRによって発現解析を行った。その結果、選択したすべての遺伝子が線虫感染根で誘導されていることが確認された。さらに植物ホルモン関係、細胞壁関係、病害虫に反応する遺伝子関係からRSIl、 pectin esteraseおよびProtenase inhibitor IIの3つの遺伝子については、ノーザンハイブリダイゼーションによる解析を行った。いずれも線虫感染により強く誘導されていることが明らかになった。 Protenase inhibitor II、 Multicystatinの強い誘導が示されたことから、植物体は、線虫の攻撃により、昆虫と同様なジャスモン酸応答による防除反応を示していると推測される。また、ジャガイモシストセンチュウに抵抗性を示すトマト品種は確認されていなかったが、接種試験により強度に抵抗性を示すトマト栽培種を発見した。今後は、感受性と抵抗性の反応を比較することにより、複雑な線虫-植物の相互関係が、さらに、明らかになると期待される。
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