研究課題/領域番号 |
18780054
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用微生物学
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
井沢 真吾 京都大学, 農学研究科, 助教 (10273517)
|
研究期間 (年度) |
2006 – 2007
|
研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
|
配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2007年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2006年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
|
キーワード | P-body / エタノールストレス / mRNA核外輸送 / 酵毋 / アルコール発酵 / 清酒醸造 / ストレス / エタノール / HSP / ポリA鎖 / 出芽酵母 |
研究概要 |
Processing body (P-body)はヌクレアーゼによるmRNA分解の場として同定されたが、近年、ストレス応答における役割が注目されている。出芽酵母ではグルコース枯渇や高浸透圧ストレス条件下、あるいは翻訳開始の阻害によってP-bodyの形成が促進される。これらのストレス条件下では非翻訳下にあるmRNAがポリソームからP-bodyに隔離され、翻訳の一時的抑制がおこなわれる。逆に、細胞がストレス条件下から脱するとP-body内のmRNAはポリソームへと戻り翻訳が再開される。そのため、P-bodyはストレス条件下における細胞質でのmRNA代謝に深く関与していると考えられている。そこで、エタノールストレス条件下におけるP-body形成を検討したところ、実験室株と清酒酵母株のいずれにおいても、5-10%のエタノールを含むSD培地中でP-bodyの形成が促進された。また、培地中のエタノールを除くことによりP-bodyの速やかな分解が観察されたことから、エタノールストレスによってもP-bodyの形成が促進されることを確認した。次に、白ワイン醸造および清酒小仕込み試験を行い、実際の酒類醸造過程でのP-body形成を検討した。その結果、白ワイン醸造過程ではエタノール濃度依存的にP-bodyの形成が促進されたが、マスト中の糖度低下の影響は確認されなかった。一方、清酒醸造過程ではエタノール濃度依存的なP-body形成は起きず、同濃度のエタノールを含むSD培地やワインマスト中とは異なる挙動を示した。このことから、マスト中と清酒もろみ中では細胞質における翻訳効率やmRNA fluxが異なると考えられた。
|