研究課題/領域番号 |
18780111
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
林学・森林工学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
大澤 裕樹 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教 (90401182)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2007年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2006年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
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キーワード | ツバキ科 / 酸性土壌 / フラボノイド / モッコク科 / 根 / ヒメシャラ / 落葉 / チャ |
研究概要 |
平成18年度の研究において、アルミニウム(Al)集積性種のチャを含むツバキ科モッコク科計8種の目然条件下のAl集積特性を解析した結果、Al非集積性種を同定するとともに、常緑性や落葉性、土壌pHの違いによらず、ほぼ一定のAl集積量を種ごとに示す傾向であるこどを明らかにした。当該年度においてさらにAlの地上部移行特性の詳細を明らかにするため、プレッシャーチャンバー法により、野外環境下や制御環境下で生育するツバキ科モッコク科計4種の各器官から木部溢出液を採取し、グラファイト式原子吸光光度計を用いて木部溢出液中のAl濃度を求めた。その結果、木部溢出液のAl濃度が各器官で異なること、溢出液の濃度変化から移行性の異なるAlが葉に含まれること、集積性種と非集積性種における溢出液のAl濃度が大きく異なることがわかった。また、Alを施用して3日以内の短期間で、根の木部溢出液のAl濃度が最大を示すことがわかった。 さらに、集積性種の溢出液のAl濃度は、Al集積量からの推定濃度と比べて葉において極めて低いものの、根において根に施用した溶液のそれよりも高かった結果から、各器官移行集積時においてAlが濃縮される可能性が示唆された。また、これらの結果は、ツバキ科種の根が地上部のAl集積を規定する上で重要な役割を果たす仮説をさらに支持する。一方、組織化学染色を用いた解剖学的観察により、根内の特定フラボノイドの集積パターンがAl集積性の違いに応じて異なる可能性を支持する予備的な成果を得ている。今後、Al集積に対する根の特定フラボノイド集積の役割を明らかにする予定である。
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