研究課題/領域番号 |
18780117
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
林学・森林工学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
津山 孝人 九州大学, 農学研究院, 助教 (10380552)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2007年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2006年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 光合成 / 環境ストレス / 樹木 / 電子伝達 / ストレス / 耐性 |
研究概要 |
飽和光パルスの照射に対する光合成電子伝達の挙動を解析した。特に、光化学系I(系I)反応中心における初期の電子供与体P700の酸化還元状態の変化を調べた。弱光(光量子束密度60umo1 photons m^<-2>s^<-1>)の下での光合成定常状態において試料中のP700はほぼ全て還元型で存在していた。単離された系I反応中心を用いた解析からP700が還元型で存在する場合の系Iの効率(量子収率)は100%と考えられているが、本研究では飽和光パルスの照射に対してP700は全てが酸化される訳ではなく、約30%ものP700が還元型で留まることを見出した。これは、系Iの量子収率が約70%に過ぎないこと意味する。この原因は、生葉においては弱光下での定常状態において系I電子伝達は受容体律速の状態にあり、すなわち、電子受容体(NADP^+)の不足にあることが分かった。 一定時間暗所に放置した植物においては、各種光合成関連タンパク質は不活性化しており、光照射をしても連続的な電子伝達は機能しない。暗適応した葉を用いて飽和光パルスに対するP700の酸化還元状態の変化を調べたところ、P700の酸化の程度において植物種(樹木種)ごとに異なる結果が得られた。P700酸化の程度の違いは、酸素還元、系I周辺での循環的電子伝達、または系I内部での電荷再結合が原因であると思われる。 光照射下および暗所での飽和光パルス照射に対する光合成の応答(P700酸化)についての上記の基礎的知見を基に、ポプラ、クロマツ、各種シロイヌナズナ突然変異株を用いることで、樹木種(より一般的に植物種)ごとのストレス耐性の違いを判定する手法を開発した。
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