研究課題
若手研究(B)
バクテリアナノファイバーを用いた透明繊維強化材料の最も優れた特性は、高い透明性と低熱膨張性である。今回の研究課題では「セルロース化学処理」と「バクテリアナノファイバーネットワーク構造の活用」、「バクテリアナノファイバー積層構造の活用」を行い、これらの材料特性を著しく向上させることに成功した。これらの成果は、バクテリアナノファイバーに限らずナノファイバーコンポジット全般に利用できる極めて重要な知見である。1.セルロース化学処理セルロース化学処理の一例としてアセチル化を行い、汎用プラスチックの3倍以上あった吸湿性を汎用プラスチック並みにまで低減し、汎用プラスチック以上の高い耐熱性を達成した。また、本材料の特徴である透明性も大幅に向上し、低熱膨張性も更に低減できる可能性を示唆した。2.バクテリアナノファイバーネットワーク構造の活用ナノクレイなどを用いたナノパーティクルコンポジットは、少ないフィラー充填量で飛躍的に材料特性を向上させることが知られている。酢酸菌が構築する極めて精緻なナノファイバーネットワークを活用したコンポジットを作製すると、ナノパーティクル以上の極めて高い補強効果を示した。この結果は、ナノファイバーコンポジットのポテンシャルを示したものである。3.バクテリアナノファイバー積層構造の活用研究代表者はバクテリアナノファイバーを用いて、繊維径がナノサイズであることを活かし透明補強を実現し、クモの巣状ネットワーク構造を用いて優れた機械的特性を引き出してきた。そこで、バクテリアナノファイバーを3次元的に構造制御し、これまであらゆる材料が成し得なかった「柔らかいのに熱膨張しない(変形しやすいのに変形しない)」という極めてユニークな材料を開発した。今後の研究において、更に詳細なメカニズムの検討を行なう。
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BioMacromoleculer (in printing)
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