研究課題/領域番号 |
18780138
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
水産学一般
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
藤本 貴史 北海道大学, 大学院・水産科学研究院, 博士研究員 (10400003)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2007年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2006年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
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キーワード | 凍結保存 / ドジョウ / バイオテクノロジー / 発生・分化 / 顕微授精 |
研究概要 |
本年度は、初年度に開発した技術の応用と個体の解析に主眼をおいて研究を行った。凍結保存精子からの個体再生実験では、ドジョウ凍結精子と通常卵との受精からは孵化仔魚を得ることができたが、凍結精子を用いた人為雄性発生では生存性の孵化仔魚を得ることができず、精子ゲノムのみでの個体再生には至らなかった。しかしながら、ドジョウ精子の凍結保存方法を他のドジョウ属魚類(カラドジョウ、フクドジョウ、エゾホトケドジョウ)へ応用したところ、本実験で用いたドジョウ属魚類の凍結精子は解凍後にも運動性を示したことから、本研究で開発した凍結保存方法が広範囲のドジョウ属魚類に応用可能であることが示された。二倍性精子に関しては、まず、初年度に作製した新四倍体系統が産する二倍性精子に由来する雄性発生個体の雄の妊性を確認した。これらの成熟した個体からは受精能を有する半数性精子が産出され、正常個体が生じたことから、新四倍体系統の産する二倍性精子は再生産可能な二倍体個体を作出できることが明らかとなった。次に、本年度ではポリエチレングリコール溶液(PEG)と高カルシウム溶液(高Ca)を用いた化学処理を施し、通常二倍体が産する半数性精子の接着・融合による倍加法を検討した。核とミトコンドリアを蛍光染色した精子の形態観察では、処理群においてのみ接着・融合している精子が観察された。また、各化学処理を比較したところ、PEG処理では僅かに接着・融合精子が見受けられるものの、PEG濃度の増加とともに精子の運動性が顕著に低下し、多数の精子凝集塊が生じた。一方、高Ca処理では、精子の運動性は濃度や処理時間によって大きな影響は受けず、PEG処理よりも多数の接着・融合精子が生じた。このことから、高Ca処理は精子の接着・融合に有効な処理方法であると考えられた。
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