研究課題/領域番号 |
18780147
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
水産学一般
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研究機関 | 獨協医科大学 (2007) 愛媛大学 (2006) |
研究代表者 |
野中 里佐 獨協医科大学, 医学部, 助教 (70363265)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2007年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2006年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 抗生物質 / テトラサイクリン / 薬剤耐性 / 薬剤耐性遺伝子 / リボソーム保護タンパク / 分子進化 / tet(M) / 養殖場 / 底泥 / 遺伝子数 |
研究概要 |
1.海洋由来テトラサイクリン耐性菌から腸内細菌への耐性遺伝子の伝達 18年度の研究成果により養殖場に存在するさまざまな細菌がtet(M)を保有することが明らかになった。本研究ではこれらの耐性菌からヒト腸内細菌への薬剤耐性遺伝子伝達の有無およびその頻度を明らかにするために養殖環境由来のオキシテトラサイクリン耐性菌を遺伝子供与菌として、Escherichia coliおよびEnterococcus faecalisを受容菌として用い接合伝達実験を行った。その結果、養殖場底泥および海水より分離したVibrio sp.68株中5株からE. coliへ、ブリより分離された魚病細菌Lactococcus garvieaeからE. faecalisへの遺伝子伝達が確認された。またそれぞれの伝達頻度は(耐性遺伝子を獲得した菌数/レシピエント菌数)それぞれ10^<-7>から10^<-3>および10^<-6>から10^<-5>であった。このように養殖環境に存在する耐性菌の中には遺伝子伝達能を保有するものが存在し、養殖場での耐性菌の出現・増加に深く関わっていることが示唆された。 2.テトラサイクリン耐性遺伝子tet(M)の分子進化 18年度の研究成果によりテトラサイクリン耐性遺伝子tet(M)は人間活動の影響が極めて少ないと考えられる場所にも分布することが明らかになった。この理由について考察するためにtet(M)を代表とするリボソーム保護タンパク質の分子系統解析を行い、その分岐時期を推定した。その結果本遺伝子の分化時期は生物界3大ドメイン(細菌・古細菌・真核生物)の分岐時期とほぼ同時期あるいは少なくとも細菌の多様化以前のイベントであると推察された。このようにtet(M)が非常に古い起源をもつことは本遺伝子が自然環境中に広く分布する理由を説明できるのと同時に、本遺伝子が耐性以外の機能も有する可能性を示すものであると考えられる。
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