研究課題/領域番号 |
18780153
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
水産学一般
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
永田 恵里奈 近畿大学, 水産研究所, COE博士研究員 (20399116)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2007年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2006年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | 魚病細菌 / 冷水病 / Flavobacterium psychrophilum / 宿主特異性 / 感染環 / Flavobacterium psychrophilm |
研究概要 |
1.冷水病菌のgyrA遺伝子における多型と分離魚種との間に関連性がある。 冷水病菌は宿主特異性が高い。有効な対策を立てる為にはまず宿主魚種ごとに冷水病菌を型別する必要がある。そこでgyrA遺伝子内に存在する多型部位に基づき冷水病菌をG-C型、G-T型、A-C型そしてA-T型に区分した。全国の関係機関から集めた様々な魚種由来の冷水病菌216株を型別した結果、G-C型はアユ型、A-T型はサケ・マス型、A-C型とG-T型は多魚種型に分かれることがわかった。 2. アユに対して病原性のある冷水病菌とない冷水病菌に型別することが可能になった。 型別した冷水病菌と病原性との関連性を調べるために、アユを用いた攻撃試験を行った。試験には、G-C型を4株、A-T型を15株、A-C型を15株、そしてG-T型を7株使用した。G-C型冷水病菌は全てアユに強い病原性を示し8割のアユが死亡した。A-T型とG-T型菌は全てアユに病気を引き起こさなかった。A-C型菌の場合、8株がアユに対して病原性を示したが、7株はアユに対して病原性を示さなかった。A-C型病原株はG-C型に比べると病原性が弱くアユの死亡率が低かった。 3. 天然河川の冷水病菌の出現は、宿主魚種の存在と密接に関わっている。 上述の型別方法を用いてモデル水域の冷水病菌の分布を調べた。すると、河川のアユ密度が増える初夏から産卵期である秋までの間、アユ型冷水病菌や多魚種型冷水病菌が検出された。アユが河川から姿を消し、代わってビワマスが河川に存在する時期になる多魚種型やサケ・マス型の冷水病菌が検出された。この時期には、アユ型冷水病菌は検出されなかった。天然河川の冷水病菌の出現は宿主魚種の存在と密接に関わっており、アユが存在しない時はアユ型冷水病菌もいなくなった。
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