研究概要 |
近年、食品安全問題が頻発する中で,食品安全を担保する消費者行政の拡充が求められている.そこで本研究では,(1)食品の品質情報についての非対称性への対応策として,食品ラベル制度の消費者評価(2)食品安全事故による外部経済性,について分析をおこなった. 本研究の分析は次のとおりであった. まず『無知の費用』の概念に基づいた食品表示制度による消費者便益の分布を推定し,社会的合意形成のあり方によっては,表示内容のオーバースペックを誘引してしまう可能性を指摘した.また,冷凍食品を題材とし,実際に起こった食品安全事故前後の消費動向を分析し,責任企業以外にも事故の影響が広がっていることを指摘し,安全事故の外部経済性の存在を示した.
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