研究概要 |
具体的な東アジア共通農業政策の1つとして論議され,日本政府によって世界貿易機関に提案された国際備蓄制度の有効性および実現可能性について,コメを事例に,計量的に検証した.その結果,第1に,東アジアに限定した国際コメ備蓄制度は発動されることがなく,制度の現実的意義は小さいこと.第2に,バングラデシュを国際備蓄の受贈者として含む備蓄制度は,バングラデシュの食料安全保障の確保と市場安定化に貢献するが,国際市場が歪曲され,莫大な備蓄費用がかかること.第3に,以上の問題は,先進国の替わりに輸出国が国際備蓄の贈与者となるよう備蓄制度を改良することにより,解決されること.以上の3点を明らかにした.
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