研究課題/領域番号 |
18780221
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
基礎獣医学・基礎畜産学
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研究機関 | 独立行政法人理化学研究所 |
研究代表者 |
竹嶋 伸之輔 理化学研究所, 分子ウィルス学特別研究ユニット, 協力研究員 (60342812)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2007年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2006年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | 乳房炎 / 地方病性牛白血病 / ウシ主要組織適合抗原(BoLA) / リアルタイムPCR / レトロウイルス / ヘテロ接合度 / DNAタイピング / PCR-sequence based typing (SBT) / ウシゲノム / 多型解析 / 主要組織適合抗原複合体(MHC) / 抗病性 / TAPトランスポーター / PCR-SBT / タイピング法の開発 / 牛白血病ウイルス(BLV) |
研究概要 |
ウシMHC(BoLA)クラスIIは高度に多型に富むDR分子とDQ分子から構成され、液性免疫や炎症反応を引き起こす。本研究ではDRB3およびDQA1の多型性を迅速、正確に識別可能なPCR-sequence based typing (SBT)法を世界で初めて開発し、それを用いて、近年爆発的に蔓延している牛白血病ウイルス(BLV)誘発性地方病性牛白血病および年間1000億円以上の経済的被害を出している乳房炎の発症に抵抗性または感受性を示すアリルを検索した。乳房炎発症牛を原因菌別に4群に分類し、各個体のDRB3とDQA1アリルをPCR-SBTにより同定した。120頭の乳房炎発症牛から15種類のDRB3アリルと12種類のDQA1アリルが検出された。原因菌別にDRB3とDQA1アリルのヘテロ接合度を算出し、アリル頻度から推定される理論値と比較した結果、DRB3では理論値と実測値の剥離は見られなかったが、DQA1ではの実測値が理論値と比較して連鎖球菌および大腸菌群由来群で大きく下回っており、DQA1がヘテロ接合である個体ではこの2群を原因菌とする乳房炎の発症リスクが抑えられる事が明らかとなった。また、BLV誘発性牛白血病の発症とDRB3アリルとの相関性をホルスタインと黒毛和種の2品種で検証したところ、黒毛和種には明らかな感受性アリルが存在した。一方、ホルスタインでは疾患感受性アリルは検出されなかったが、発症牛ではDRB3遺伝子のヘテロ接合度が低い傾向にある事が示された。現在BoLAが疾患感受性を規定する機序を詳細に調べるため、リアルタイムPCRを用いたBLVのウイルスロードの測定法の開発を行っている。BoLAの多型性がウイルスロードの減少を規定している事が明らかとなれば、特定のアリル頻度を高くする事で、BLVが蔓延を軽減する事に繋がり、非常に有用な牛白血病対策を提唱が可能となる。
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