研究課題
若手研究(B)
細胞外マトリックス蛋白質Reelinは、大脳皮質の最外層に位置するCajal-Retzius細胞より分泌される。Reelinは、移動中の未熟ニューロン上に発現されているReelin受容体を介し、細胞内アダプター蛋白質DablのSrcファミリーチロシンキナーゼによるチロシンリン酸化を誘導する事により、ニューロンの移動と配置を決定している。私は、1)Dab1はReelin受容体の細胞表面への輸送を両者の結合依存的に促進する事、2)ReelinによるDab1のチロシンリン酸化はReelin受容体のendocytosisに必須である事、3)Dab1はReelin受容体のendcytosis後受容体から解離する事、以上三点を報告した。本研究において、私はReelin刺激後のDab1の細胞内局在の変化に着目し、チロシンリン酸化Dab1は核に移行する事を明らかにした。更に、Dab1の核内での機能をin utero electroporation法によりマウス胎仔大脳皮質において解析を行い、Dab1は直接或は間接的にDNAに会合し、転写活性化因子と協調して、ニューロンの移動の維持に必須であると予想される遺伝子発現を調節することにより、ニューロンの移動と配置の決定に寄与する事を明らかにした。更に、Dab1による転写調節は、大脳皮質形成初期に一過性に出現するプレプレートからサブプレート及び遍縁帯への分割、並びにサブプレートと遍縁帯の間に出現する皮質板の形成に必須であることを見いだした。
すべて 2008 2007
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)
Cell 132
ページ: 487-498
Brain Research 1140
ページ: 84-95
Neuroscience Research 58