研究課題/領域番号 |
18780226
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用獣医学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
野田 岳志 東京大学, 医科学研究所, 特任助教 (00422410)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2007年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2006年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | エボラウイルス / ヌクレオカプシド / ゲノムパッケージング |
研究概要 |
エボラウイルスのヌクレオカプシドは、ウイルスゲノムRNAを含む核酸・蛋白質複合体であり、ゲノムRNAの転写および複製に不可欠である。感染細胞から放出される子孫ウイルス粒子が感染能を獲得するためには、細胞質で合成されたヌクレオカプシドを細胞表面へと輸送し、出芽ウイルス粒子内に取り込まなければならない。我々は昨年度、ヌクレオカプシドの細胞内輸送ならびにウイスル粒子内への取り込みに、ヌクレオカプシドの主要構成成分であるNPとマトリックス蛋白質VP40との相互作用が必要であることを明らかにした。そこで本年度は、NPとVP40の相互作用に関与する領域を明らかにすることを目的とした。最初に、NPにおいて、様々な領域を欠損させた変異NPを発現するプラスミドを作製し、それを用いて免疫沈降を行った。さらにウエスタンブロットや蛍光抗体法、電子顕微鏡観察により、ヌクレオカプシドの細胞内輸送とウイルス粒子内への取り込みを探索した。その結果、VP40との相互作用には、NPのN,C両末端が必要であること、また、ヌクレオカプシドの細胞内輸送およびウイルス粒子内への取り込みには、NPのC末端が必要であることを明らかにした。興味深いことに、ヌクレオカプシドやNPへリックスを形成できない変異NPでも、VP40と相互作用し、変異NP分子がウイルス粒子内に取り込まれることがわかった。本研究によりヌクレオカプシドのゲノムパッケージングに重要な相互作用ドメインが明らかになったことで、抗エボラウイルス薬開発の新たな標的を提示することができた。
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