研究課題/領域番号 |
18790023
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
化学系薬学
|
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
佐藤 浩輔 北海道大学, 大学院・薬学研究院, 助教 (70415686)
|
研究期間 (年度) |
2006 – 2007
|
研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
|
配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2007年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2006年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
|
キーワード | 遺伝子損傷 / 検出試薬 / 蛍光 / 核酸 / 生体分子 / 有機化学 |
研究概要 |
昨年度に引き続き、5-ホルミルウリジンと高い反応性をもつ新規試薬のデザインと合成を行った。その結果、フェニル基のパラ位にメトキシ基を有する化合物が、塩基性条件下極めて強い蛍光を発することが明らかとなった。一連の反応後の蛍光化合物について種々の蛍光物理定数の算出を行った結果、メトキシ誘導体のものはその蛍光量子収率が0.8以上となり、核酸誘導体として水中でも極めて強い蛍光を発する化合物を見いだすことができた。また、予期していた通り、これらの新規検出試薬はバックグラウンドとなる蛍光を示さなかった。 つぎに生体内で最も多く生成すると考えられるホルミル誘導体である、脱塩基損傷に対する選択性をまず単量体を用いて確認した。その結果、脱塩基損傷は新規試薬と速やかに反応するものの、得られた試薬との付加体は全く蛍光を示さなかった。さらに天然型のDNAに含まれるデオキシアデノシン、デオキシグアノシン、デオキシシチジン、チミジンについても同様にその反応性を比較検討した。これらの天然型核酸はいずれも新規検出試薬と反応せず、蛍光も観察されないことを明らかにした。そのため、本試薬は蛍光による検出を行うことで、5-ホルミルウリジンを選択的に検出することが可能であると考えられる。 つづいて、昨年度に合成したオリゴヌクレオチドへ5-ホルミルウリジンを導入するためのユニットを用いて1個の5-ホルミルウリジンを含む15量体のオリゴヌクレオチドを合成した。このオリゴヌクレオチドに対して、新規試薬との反応を行った結果、新規試薬は水中のオリゴヌクレオチドとも反応することがわかった。このことは実際に細胞等から得られたDNAに対して反応を行うにあたり、極めて重要な結果であると考えられる。
|