研究課題/領域番号 |
18790039
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生物系薬学
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
小原 祐太郎 東北大学, 大学院・薬学研究科, 助教 (40400270)
|
研究期間 (年度) |
2006 – 2007
|
研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
|
配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2007年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2006年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
|
キーワード | グリア細胞 / 神経栄養因子 / 神経成長因子(NGF) / 神経突起伸展 / 痴呆 / 1321N1細胞 / PC12細胞 |
研究概要 |
われわれは天然界由来の低分子性の神経栄養因子関連化合物を探索し、それらの作用メカニズムを詳細に解明してきた。その結果、担子菌ケロウジ(Sarcodon scabrosus)から単離された新規ジテルペン化合物のスカブロニン類が1321N1ヒトアストロサイトーマからの神経成長因子(NGF)の生合成を促進することを明らかにしてきた。さらに昨年度から今年度にかけて、ケロウジと同属のキノコ(Sarcodoncyrneus)から新たに単離されたシルネイン類およびグラウコピン類の薬理作用をイタリアのMarcotullio博士らのグループと海外共同研究にて検討した。シルネイン類およびグラウコピン類もスカブロニン類と同様にシアタン骨格を有するジテルペン化合物であることから、スカブロニン類と同様の薬理活性を示すことが予想された。実際、1321N1細胞におけるNGF遺伝子の発現レベルを定量すると、すべてのシルネイン類およびグラウコピンCは作用を示した。さらに、これらの化合物群の中でも特にシルネインAは未分化神経細胞のモデルであるPC12細胞の分化をも強く促した。これらの化合物の構造活性相関を検討したところ、C4位のヒドロキル基がPC12細胞の分化に対して、5員環のケトン基、ヒドロキシル基などが1321N1細胞におけるNGFの遺伝子発現に重要なことが示唆された(以上の成果は、Bioorg Med Chem 2007に掲載された)。さらに、われわれはシルネイン類のPC12細胞の神経突起伸展作用の詳細なメカニズムを検討したところ、シルネイン類は低分子量Gタンパク質のRac1の活性を制御し、細胞骨格タンパク質のアクチンの動態を変化させることを明らかにした(これらの成果はLife Sci 2007に掲載された)。
|