研究課題/領域番号 |
18790053
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生物系薬学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
新谷 紀人 大阪大学, 薬学研究科, 助教 (10335367)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2007年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2006年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
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キーワード | PACAP / 遺伝子欠損マウス / 体内時計 / 視交叉上核 / L-PGDS / プロスタグランジンD2 / CRTH2 / 光同調 / Gene Chip解析 / クラスター解析 / in vitroリズム解析系 / 疾患モデル |
研究概要 |
研究代表者が作製したPACAP遺伝子の欠損マウス(PACAP-KO)では、概日リズム位相の前進性/後退性の光同調のうち、前者のみが障害されている。本研究では、このような興味深い表現型を示すPACAP-KOと各種先端技術の利用により"位相前進性光同調に特異的に関わる新規分子同定"を行い、その視交叉上核(SCN)での機能解析から、光同調の分子基盤解明を目指す。平成19年度は以下の成果を得た。 1)PACAP-KOにおいて、光照射に伴う腎臓交感神経の活性化や血中コルチコステロン濃度の増加反応が消失すること、一方で血糖値の上昇は野生型マウスと同程度認められることを見出した。 2)PACAP-KOのSCNでは、光照射に伴うc-Fos発現が野生型マウスと比較して減弱しており、またCREB発現がほぼ完全に消失することを明らかにした。1)、2)より、生体内のPACAPは、SCN内遺伝子の転写促進を介して特定の光誘発性生理機能変化に関与することを示唆した。 3)初年度より行ってきたSCN特異的な網羅的遺伝子発現解析等を完了させ、位相前進性の光同調に関わる新規分子として、リポカリン型プロスタグランジンD_2合成酵素(L-PGDS)を同定した。 4)SCNにおける光誘発性L-PGDS発現増加について、位相後退を誘導する光刺激条件では全く認められないこと、上述のようにPACAP-KOで位相前進性光同調障害が認められるような照度条件(20lx,30min)でのみ認められることなど、本分子の発現制御機構に関するいくつかの知見を得た。 5)プロスタグランジンD_2のII型受容体(CRTH2)拮抗薬の投与により、PACAP-KOと同様の位相前進特異的な光同調障害が見られることを見出した。以上3)〜5)より、PACAP-L-PGDS-PGD_2-CRTH2シグナルが位相前進性の光同調に特異的に関わる新規シグナル経路である可能性を導き出した。
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