研究課題/領域番号 |
18790078
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生物系薬学
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研究機関 | 国立医薬品食品衛生研究所 |
研究代表者 |
奥平 桂一郎 国立医薬品食品衛生研究所, 機能生化学部, 研究員 (10425671)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2007年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2006年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 脂質 / シグナル伝達 / 動脈硬化 |
研究概要 |
抗動脈硬化作用を持つHDLは、膜トランスポーターABCA1が細胞のコレステロールを細胞外に運び出すことで形成される。本研究では、新たに同定されたABCA1相互作用タンパク質であるGEF(guanine exchange factor)の、HDL形成における役割を明らかにすることを目的とした。前年度において、ABCA1がGEFと細胞内で相互作用しており、GEFの発現増加に伴い、ABCA1の発現量とHDL形成量が増加することを明らかにした。本年度は、メカニズム解析をさらに進め、以下の知見を得た。 1.GEFを介したRhoA活性化によるABCA1タンパク質の増加 GEFは細胞内RhoAを活性化することが知られている。常時活性化型RhoAを発現させた細胞において、ABCA1タンパク質発現量の増加が確認された。さらに、タンパク質合成阻害剤を加えてABCA1タンパク質分解を経時的に測定したところ、活性化RhoAによってABCA1の分解が阻害されることが明らかになった。 2.相互作用によるGEFの活性化 GEFとの相互作用に必須のドメインを欠失したABCA1変異体では、野生型に比べて、GEF活性化、RhoA活性化によるABCA1タンパク質の安定化及びHDL形成量増加作用が抑制された。 3.apoA-I付加によるRhoAの活性化とABCA1タンパク質の安定化 以前に報告されたとおり、apoA-I付加によるABCA1タンパク質の安定化が確認された。また、apoA-I付加によって細胞内RhoAの活性化が観察され、apoA-IによるABCA1タンパク質の安定化効果はRhoA活性化阻害剤、またはRNAiによるGEF発現抑制により、減弱した。 以上より、ABCA1/GEF複合体にapoA-Iが結合することでRhoAが活性化され、ABCA1タンパク質の安定化が起こることを明らかにした。
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