研究課題/領域番号 |
18790083
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
創薬化学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
市川 聡 北海道大学, 大学院・薬学研究院, 助教 (60333621)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2007年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2006年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 構造に基づいた薬物設計 / Hsp90 / 抗癌剤 / 2量体 |
研究概要 |
構造に基づいた薬物設計(Structure Based Drug Design, SBDD)を基盤として、複数の癌関連clientの機能発現タンパク質の機能と安定性を調節する分子シャペロンHsp90の阻害剤開発研究を行った。本年度は各種ヒト乳癌細胞(MCF7, Skbr3)に対して増殖抑制活性の増強がみられたN末端結合分子2量体の構造最適化を行った。その結果、C20リンカーで連結した化合物が、各種腫瘍細胞に対して20-30倍の活性増強(IC_<50>=1.2-1.5 μM)を示すことが明らかとした。さらにこれらの化合物で処理した細胞ではHer2の分解が観察されたことから、細胞内に取り込まれた後に確かにHsp90を阻害していることも示唆された。本年度はさらに新規N末端結合型のHsp90の阻害剤の開発研究も行った。すなわち、天然の基質であるATPと、N末端結合型の天然物であるゲルダナマイシンをハイブリッドしたシクロファン含有アデノシン誘導体を設計した。まず予備検証として、非環状型のアデノシン誘導体を合成し、MCF7に対する細胞増殖抑制活性を検討した。その結果、この化合物は中程度の活性(IC_<50>=50 μM)を示すことがわかったため、目的とする化合物の合成を検討した。アミドの回転異性の制御を利用した効率的な閉環メタセシス反応を用いることにより、シクロファン含有アデノシン誘導体の効率的かつ系統的な合成経路を確立することができた。合成した化合物の生物活性評価に関しては、現在検討中である。
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