研究課題/領域番号 |
18790117
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
医療系薬学
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
樋口 ゆり子 京都大学, 薬学研究科, 研究員 (40402797)
|
研究期間 (年度) |
2006 – 2007
|
研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
|
配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2007年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2006年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
|
キーワード | 核酸医薬品 / ターゲティング / 炎症性疾患 / NFκB / リポソーム / 免疫担当細胞 / デコイ / 転写調製 / 遺伝子治療 / 転写調節 |
研究概要 |
本研究は、核酸医薬品NFκBデコイの細胞選択的送達による新規抗炎症治療法の確立を目的とする。本年度は、昨年度確立したフコース修飾カチオン性リポソームによるKupffer細胞選択的送達システムの肝炎抑制への応用を行う。まずLPSの静脈内投与による急性肝炎モデルを作成し、フコースリポソーム/NFκBデコイ複合体を静脈内投与したところ、肝臓でのNFκB活性化抑制効果が認められた。さらに、肝炎発生と関連の深い血清中のTNFα濃度上昇抑制効果および肝炎の指標となる血清中ALT・AST濃度の上昇抑制が認められた。また、カチオン性リポソーム/プラスミドDNAの複合体(リポプレックス)はin vivoでの高い遺伝子発現能を有する一方、静脈内投与後肝臓のNFκBを活性化し肝炎を誘発することが知られている。そこでまずNFκB活性化抑制効果を有するレチノイド(ATRA)含有リポプレックスを調製しマウスへ投与したところ遺伝子発現量に影響することなく肝臓でのNFκB活性化抑制ならびに肝炎抑制効果が得られ、NFκB活性化抑制によるリポプレックス誘発性肝炎治療の可能性が示唆された。そこで、リポプレックス投与10分前にフコースリポソーム/NFκBデコイ複合体を投与したところ、遺伝子発現量に影響を与えることなく、肝臓でのNFκB活性化抑制、血清中サイトカイン産生抑制および肝炎抑制効果が認められた。以上、フコースリポソームによるNFκBデコイのKupffer細胞選択的送達により肝炎抑制が可能であることが明らかとなった。
|