研究課題/領域番号 |
18790118
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
医療系薬学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
奥田 竜也 九州大学, 先導物質化学研究所, 特任助教 (50378791)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2007年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2006年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | アミノ酸デンドリマー / 酸感受性 / 抗がん剤 / デリバリー / プロドラッグ |
研究概要 |
本研究では既存抗がん剤の有効なプロドラッグ化法として、安全性に十分配慮して設計されているアミノ酸デンドリマーを基本分子として採用し、Enhanced Permeability and Retention(EPR)効果に基づく腫瘍組織標的化および標的細胞へ到達後抗がん剤を効果的に作用させ得るようpH応答性リンカーを用いて安定に保持させる手法を用いて機能的な新規抗がん剤プロドラッグを創製し、がん化学療法へと応用することを目的とした。 前年度の検討により、アミノ酸デンドリマーの分子表面にポリエチレングリコール(PEG)を修飾したものがEPR効果によって腫瘍組織へと効果的に蓄積することを見いだしていたため、これに酸感受性リンカーを用いて抗がん剤を結合させたプロドラッグの合成を行い抗腫瘍効果などの検討を行ったが、期待されたほどの効果が得られなかった。そこで、この原因がPEG導入による立体障害にあると考え、分子設計へとフィードバックし、PE修飾に代わる有効な表面修飾法の検討を行った。デンドリマーの単分散性の特徴を維持しつつ、立体障害を無くし、かつ、安全性や抗がん剤の導入し易さにも配慮し、グルタミン酸による表面修飾を行った誘導体を合成し、体内動態特性および毒性評価を行った。その結果、低毒性かつPEC修飾誘導体よりもより効果的にEPR効果によって腫瘍に蓄積しやすい分子となり、グルタミン酸による表面修飾が有効であることが示された。さらに、アミノ酸デンドリマーの第7世代に対しグルタミン酸修飾を施した誘導体は静脈内投与後、腎臓へと特異的に蓄積する非常に珍しい体内動態特性を持つことが見いだされた。この化合物は、これまでに報告例の非常に少ない腎臓への選択的な薬物送達を実現可能なキャリア分子候補化合物として期待される。
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