研究課題
若手研究(B)
血液-組織関門は、生理物質や生体外異物の取り込み排泄の制御を担っている。胎児への栄養物供給や異物排出において重要な役割を担う血液-胎盤関門においては、その本体であるsyncytiotrophoblastに、代謝酵素と共して種々のトランスポーターが局在して発現し、その活性や局在制御は胎児に正常な発育において重要である。これまでに腎臓や小腸においてトランスポーターの活性や局在がscaffoldタンパク質により制御されているという報告がある。本研究において、既に他の細胞で発現への影響が示唆されたP-gpおよびMrp2についてEzrinノックアウトマウス胎盤における発現レベルへの影響を検討したところ、Ezrinホモ欠損型は野生型よりp-gpとMrp2の発現レベルに減少傾向が観察され、これらよりezrinが胎盤トランスポーターの発現量や輸送能へ影響していることが示唆された。 Ezrinノックアウトマウス胎盤におけるP-gpおよびGLUT1の免疫染色では、その局在に光学顕微鏡レベルでは野生型と差が見られなかった。今後は、電子顕微鏡レベルでの微細構造における変化や活性への影響について解析が必要である。また、血液-組織関門の構造および機能維持について、それらを担っている基底膜に注目して検討を行った。その結果、血液-脳関門を構成するラットpericyte、endothelial cell、astrocyte細胞株のうち、pericyteにおいて基底膜関連因子の発現が、基底膜異常に関与するとの報告があるtransforming growth factor-β1(TGF-β1)により顕著に変動することを見いだした。
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Pharm Res (in press)
Placenta (in press)
Drug Metab Pharmacokinet 22
ページ: 255-266