研究課題/領域番号 |
18790147
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
解剖学一般(含組織学・発生学)
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研究機関 | 岩手医科大学 |
研究代表者 |
木村 英二 岩手医科大学, 医学部, 助教 (50405750)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2007年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2006年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 脳血管 / 血管新生 / ゼブラフィッシュ / 阻害剤 / sonic hedgehog / cyclopamine / 二光子顕微鏡 / flil / fli1 / タイムラプス・イメージング |
研究概要 |
近年ゼブラフィッシュは、突然変異体スクリーニングによる発生後期での器官形成異常とその原因遺伝子の報告からヒト疾患モデルとして注目されている。さらに体外受精を行い、胚が透明であるなどの点から血管系形成過程の観察に非常に適している。ヒトとの相違を明確にしつつ、ゼブラフィッシュの脳血管系発生過程の全容とその分子メカニズムを明らかにすることは、今後の様々な脳血管に関わる研究に解剖学的な基盤情報を提供し、かつヒト脳血管系の形成過程の理解へと通じる。これまで我々のグループの磯貝らは、ゼブラフィッシュをもちいて初期の体幹の血管系形成の遺伝的制御を明らかにしたが、脳の血管系については解析がまったく進んでいなかった。平成19年度には、実験計画に従い、血管内皮が特異的に蛍光を発するトランスジェニック・ゼブラフィッシュ(Tg(fli1:EGFP)y1)を用いて、脳血管系形成過程のイメージングを行った。その結果独立して形成された脳と脊髄の血管系が統合される際に、第一節間動脈が重要な役割を果たしていることが判明した。この過程は、(1)Primordial hindbrain channel(PHBC)の伸展と第1節間動脈との連結、(2)脳底動脈の伸展と第1節間動脈との連結、(3)PHBCの解離と椎骨動脈との連結という段階を経て完成する。我々はsilent heart遺伝子を抑制し血流を生じない胚を作成した。その観察から、この初期段階では血流が必要ではない、脳血管系の初期形成過程も遺伝的に制御されていることが明らかになった。さらにこの過程でのsonic hedgehog(Shh)の影響を、Shhの阻害剤であるcyclopamineを胚の飼育水に加えて解析し、節間の血管系の発生前にcyclopamineを加えた場合、節間の血管の発生が抑制されるが、primordial hind brain canal(PHBC)は一定の領域までは伸展しそれ以上は進まないことが判明した。今後PHBCの伸展を制御するシステムの解明を進めていく。
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