配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 300千円)
2008年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2007年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2006年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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研究概要 |
癌の骨転移, 関節リウマチなどの炎症部位での骨破壊においては破骨細胞が重要な役割を果たしており, 破骨細胞の分化, 活性を制御することは重要な課題の一つとなっている. IL-12ファミリーに属するIL-27は、活性化T細胞による破骨細胞分化抑制作用を増強することが明らかとなり[1], さらにこの機構を解明する過程で, IL-27が活性化T細胞での破骨細胞分化因子RANKLの発現を顕著に抑制することが見出された. 昨年度, IL-27のRANKL発現抑制作用についてさらに検討を進めた. 未感作CD4+T細胞から誘導されたTh1, 2, およびTh17細胞のいずれのサブクラスにおいても可溶性および膜結合型RANKLの発現が誘導され, IL-27はこれらの発現を抑制した. 次にIL-27のシグナル伝達分子であるSTAT1またはSTAT3を欠損したT細胞サブクラスを用いて検討した結果, IL-27のRANKL発現抑制作用は,部分的にSTAT3に依存していることが明らかとなった(論文投稿中). 一方, 破骨細胞前駆細胞とTh17細胞との共存培養にて破骨細胞に特徴的な酒石酸耐性酸フォスファターゼ(TRAP)陽性の細胞が, 単核の細胞ではあるが, 形成され, IL-27およびRANKL阻害分子であるosteoprotegerinはこの作用を抑制した(論文投稿中). IL-27はRANKL産生を抑制し, TRAP陽性細胞形成を抑制することから, 悪性腫瘍, 関節リウマチなどの炎症性疾患局所における骨破壊を抑制できる可能性が考えられた。今後転移性乳癌細胞がT細胞サブクラスのRANKL発現や破骨細胞形成に及ぼす影響について解析したい. 1. Kamiya S, et.al. (2007)Journal of Bone and Mineral Metabolism 25, 277-285
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