研究課題
若手研究(B)
G_qタンパク質共役型受容体(G_q protein-coupled receptor:G_qPCR)であるエンドセリンA型受容体(ET_AR)、ET_BR、プリンP_2Y受容体(P_2YR)が活性化されると、G_q-ホスホリパーゼC (PLC)系を介した細胞内Ca∧<2+>イオン濃度([Ca∧<2+>]_i)上昇反応が生じる。しかし、これらG_qPCRを介した[Ca∧<2+>]_i上昇反応のパターンは一様ではなく、ET_AR及びET_BR刺激の場合、持続的な[Ca∧<2+>]_i上昇反応が生じるが、P_2YR刺激の場合、持続的な[Ca∧<2+>]_i上昇反応は生じない。これらの知見は、持続的なCa∧<2+>流入に関与するシグナリングカスケードが、G_qPCRのタイプに依存して、活性化される可能性を示唆している。本研究では、G_qPCRを介して活性化されるシグナル伝達機構の多様性と普遍性を解明するため、[Ca∧<2+>]_i上昇反応、細胞外酸排出速度上昇反応ならびにp38MAKPのリン酸化量上昇反応を指標として、ET_AR、ET_BR、P_2Y-Rのシグナル伝達機構の解析を行った。その結果、ET_AR及びET_BRを介した持続的な[Ca∧<2+>]_i上昇反応に、(1)G_q→PLC→TRPCチャネル、及び、(2)G_12タンパク質→p38MAPK→Na∧+/H∧+交換体→Na∧+/Ca∧<2+>交換体といった2つの機構の活性化が必須であることが明らかになった。一方、P_2YR刺激の場合、上述の機構は活性化されず、P_2YRを介して活性化されるシグナル伝達機構として、G_q→PLC→p38MAPK→Na∧+/H∧+交換体が同定された。今後、このようなGPCRシグナリングの多様性と普遍性を創出する分子メカニズムを解明するため、多数のシグナル分子が集積すると考えられているカベオラ膜脂質マイクロドメインにおいて、本研究で同定されたシグナル分子がどの様に相互作用し、シグナル分子のネットワークを形成しているのか、詳細に解析する予定である。
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