研究課題/領域番号 |
18790192
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
医化学一般
|
研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
宮城 聡 千葉大学, 大学院・医学研究院, 助教 (20400997)
|
研究期間 (年度) |
2006 – 2007
|
研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
|
配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2007年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2006年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
|
キーワード | Sox2 / 神経幹細胞 / 幹細胞 / 自己複製 |
研究概要 |
幹細胞は自己複製能と分化多能性を持つ細胞として定義され、これらの特徴を、多くの幹細胞が併せ持つことから、幹細胞に共通の自己複製機構が存在すると予想される。本研究では、幹細胞制御の観点から自己複製機構の解明を目指し、ES細胞、神経幹細胞、栄養膜幹細胞等の複数の幹細胞において未分化状態特異的に発現する転写因子Sox2に着目し、その神経幹細胞における機能解析を行った。この目的のため、、Nestin-Creマウスを用いてコンディショナルノックアウトマウス(Sox2^<FI/FL>,Nestin-Cre)を作製し、解析を行った。この結果、Sox2^<FI/FL>,Nestin-Creは出生前後に致死であり、組織学的解析から胎生後期において、神経幹・前駆細胞の異常に伴い観察されることが知られる側脳室の拡大およびに脳室層の薄層化が認められた。また、Neurosphere法によるコロニーアッセイの結果、神経幹・前駆細胞数の減少が認められた。しかし、形成された1次コロニーは、コントロールマウスと同等の2次コロニーの形成能を持ち、神経分化の効率が低下するものの分化多能性も維持されていた。従って、Sox2は神経幹・前駆細胞の質的制御には関与せずその量的な制御に重要な機能を有することが明らかになった。また、変異マウスの神経幹細胞における、Sox1およびSox3の発現解析を行い、Sox3がコントロールマウスと比較し2倍程度上昇することを見出した。従って、Sox2の機能の一部はSox3の発現上昇により相補されている可能性が考えられる。 Sox2欠損ES細胞の解析から、Sox2がES細胞の自己複製に必須の役割を果たすことが報告されており、この報告と本研究より、Sox2が複数の幹細胞において自己複製制御因子として機能することが明らかとなった。
|