研究課題
若手研究(B)
本研究の目的は、formin相同蛋白質Fhos(Fhod)による微小管-アクチン両細胞骨格の動的制御機構の解明であった。Fhodは、分子のほぼ中央にポリプロリンの繰返し構造を持つFH(formin homology)1ドメイン、及びそのC末側に広く保存されたFH2ドメインを持ち、このFH1-FH2領域でアクチンの核化・重合能を有している。Fhodのアクチン重合活性は、N末領域とC末に存在するDAD(dia autoinhibitory domain)との自己分子内結合により普段は抑制されている。我々は、Rho結合キナーゼROCKがFhod1のDAD領域内のSer1131、Ser1137及びThrl141をリン酸化することを見出した。ROCKによるDAD領域内3残基のリン酸化によりFhod1-N末領域とFhod1-DAD間の分子内結合が消失し、これら3残基のリン酸化を模倣した全長変異体Fhod1(S1131D/S1137D/T1141D)は,C末欠失変異体と同様に著明なSF形成を誘導した。さらに血管内皮細胞において、トロンビンなどの血管作動性物質によりRho-ROCK経路を介してFhod1が実際にリン酸化されSF形成を誘導した。また,RNAiによりFhod1をノックダウンするとトロンビンによるSF形成は抑制された。以上より,ROCK依存的なリン酸化によりFhodが活性化されるという新しいformin相同蛋白質の活性化機構を明らかにすると同時に,血管内皮細胞でのSF形成にFhod1が必須の役割を果たすことを明らかにした。
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