研究課題/領域番号 |
18790215
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
病態医化学
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
小代田 宗一 秋田大学, 医学部, 講師 (80400480)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2008
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2007年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2006年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 糖鎖 / 糖転移酵素 / FGF23 |
研究概要 |
本研究ではGALNT3変異による家族性腫瘍性石灰化沈着症発症機構を解明するため、FGF23の糖鎖修飾に着目した。前年度で解析したGALNT3の発現とFGF23の分子安定性の関連をさらに解析するため、Po1 II系プロモーターを持つRNAi発現ベクターを用いてGALNT3を含む複数のGALNTアイソフォームに対して特異的RNAiコンストラクトを作製しHEK293細胞に一過性あるいは恒常的に発現させた。このRNAi発現細胞にC末端にV5およびHisタグ配列を付加したFGF23をHEK293細胞に一過性に発現させた。解析の結果、GALNT3を特異的に抑制したHEK293細胞で培養上清中のFGF23分子の顕著な減少を確認した。次に分解前の状態のFGF23の糖鎖修飾を解析するため、FGF23分子のプロテアーゼ切断部位をアミノ酸置換したR176QおよびR179Q変異型FGF23をHEK293細胞に導入した。ウェスタンブロット解析から、完全長FGF23の分子サイズに複数のバンドを確認した。分子サイズの変化は糖鎖修飾によるものと考えられた。さらに、糖鎖修飾部位を解析するため、プロテアーゼ切断部位にあるT178スレオニン残基をアラニンに置換したR176Q T178A変異型FGF23コンストラクトを作製し同様に解析したところ、糖鎖修飾による複数のバンドは消失し、1本の完全長FGF23を示すバンドのみを確認した。この結果から、HEK293細胞においてFGF23のムチン型糖鎖修飾部位はT178であり、この部位のムチン型糖鎖修飾にバリエーションがあることが明らかとなった。野生型FGF23とR176Q T178A変異型FGF23の比較解析から、T178への糖鎖修飾はFGF23の分子安定性に重要であり、GALNT3はその部位への糖鎖修飾によりFGF23の分子安定性に寄与していると考えられた。
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