研究課題/領域番号 |
18790217
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
病態医化学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
白壁 恭子 東大, 医科学研究所 (00345315)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2007年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2006年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | アシドーシス / NBC1 / IRBIT / IP_3受容体 / カルシウムイオン |
研究概要 |
IP_3受容体はERの膜に局在するカルシウムチャンネルであり、細胞外刺激をうけ細胞内でIP_3が生成されると開口し、ER内から細胞質へとカルシウムイオンを放出する。IP_3受容体結合蛋白質として同定されたIRBITは生理的な濃度のIP_3によってIP_3受容体から遊離する事が知られており、IP_3シグナルを更に下流の分子に伝えるシグナル伝達分子として機能している可能性が考えられたため、IRBITの標的分子を検索した。マウスの小脳から抗IRBIT抗体を用いてIRBITと共沈する蛋白質を調製し質量分析法により同定したところNBC1が同定された。NBC1は膜を10回貫通しN末側とC末側を細胞質に露出する構造を持っており、N末端のごく短い配列のみが異なる膵臓型(pNBC1)と腎臓型(kNBC1)の二つのスプライシングバリアントが存在するので、それぞれのNBC1のN末側とC末側を大腸菌で発現精製し、プルダウンアッセイでIRBITとの結合能を検討した。その結果pNBC1に特異的な領域がIRBITとの結合に必要十分である事が明らかになった。次にIRBITがpNBC1の活性を制御しうるかXenopus胚を用いた電気生理学的な手法で検討した。その結果、pNBC1はkNBC1に比べ非常に弱い活性しか示さない事、しかしIRBITを同時に発現するとpNBC1もkNBC1に匹敵する活性を持ちうる事が明らかになった。一方kNBC1の活性はIRBITを同時に発現しても大きく変化しなかった。これらの結果からIRBITがpNBC1を特異的に活性化する事が示された。以上の研究からpNBC1がIRBITの標的分子である事が強く示唆された。近位尿細管性アシドーシスの原因遺伝子であるNBC1の活性調節機構の理解に貢献する事ができたのではないかと考えている。
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