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リチウムシグナルと概日リズムからみたそううつ病病態への分子的アプローチ

研究課題

研究課題/領域番号 18790230
研究種目

若手研究(B)

配分区分補助金
研究分野 病態医化学
研究機関(財)大阪バイオサイエンス研究所

研究代表者

高野 敦子  財団法人大阪バイオサイエンス研究所, 神経科学部門, 研究員 (70390812)

研究期間 (年度) 2006 – 2007
研究課題ステータス 完了 (2007年度)
配分額 *注記
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2007年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2006年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
キーワード概日リズム / そううつ病 / リチウム / 学習性無力ラット / GsK3β / IV-ROMS
研究概要

概日リズムは、行動リズムや生理機能、さらに精神状態にも関与すると言われている基本的生命現象である。うつ病などの感情障害は、統合失調症と並んで主要な精神疾患の1つであり、従来より、感情障害と概日リズムの関係が示唆されている。
古くから双極性障害の気分安定薬として知られているリチウムはGlycogen synthase kinase3β(GSK3β)の阻害剤でもあることが知られている。これまでにGSK3βは、いくつかの時計タンパクをリン酸化することより概日リズムに関与すること、また、マウスにリチウムを投与した結果、行動リズムの位相が後退することが報告されている。これらのことより、リチウムにおける感情障害治療効果は、体内時計同調機構にも影響を与え、感情障害と概日リズムを関連づけているのではないかと考えられる。
我々は、うつ病モデル動物である学習性無カラットを作成し、回避行動が著しく低下したものをLHラットとして行動リズムを測定した。その結果、LHラットではコントロールラットより概日リズム周期が短くなる傾向が見られた。LHラットにリチウムやSSRIであるFluoxetineを投与した結果、回避行動を示すなどのうつ状態からの回復がみられ、行動リズムも長周期を示した。また、LHラットの前脳においてGSK3βのリン酸化が減少していることが見い出された。さらに我々は、LHラット由来の線維芽細胞を培養することに成功し、in vitroリズムモニター系を用いて細胞リズムを測定した。驚くべきことに、LHラット由来細胞は行動リズムに対応して同時に短周期になっていることが明らかになった。これらのことより、うつ病などの感情障害と概日リズムはGSK3βを介して関連している可能性が示唆される。

報告書

(2件)
  • 2007 実績報告書
  • 2006 実績報告書
  • 研究成果

    (5件)

すべて 2008 2007 2006

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] A direct repeat of E-box-like elements is required for cell-autonomouscircadian rhythm of clock genes2008

    • 著者名/発表者名
      中畑泰和, 吉田真由美, 高野敦子, 他5名
    • 雑誌名

      BMC Molecular Biology 9

      ページ: 1-11

    • 関連する報告書
      2007 実績報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] 繊維芽細胞を用いた抗うつ薬スクリーニング系の確率2007

    • 著者名/発表者名
      内匠透, 高野敦子, 他4名
    • 雑誌名

      精神薬療研究年報 39

      ページ: 232-235

    • 関連する報告書
      2007 実績報告書
  • [雑誌論文] Serine 714 might be implicated in the regulation of the phosphorylation in other areas of mPer1 protein2006

    • 著者名/発表者名
      Atsuko Takano, Katsuya Nagai
    • 雑誌名

      Biochemical and Biophysical Research Communications 346

      ページ: 95-101

    • 関連する報告書
      2006 実績報告書
  • [学会発表] 生物時計とうつ状態との分子的相関2007

    • 著者名/発表者名
      高野 敦子
    • 学会等名
      第80回日本生化学会大会
    • 発表場所
      日本・横浜
    • 年月日
      2007-12-12
    • 関連する報告書
      2007 実績報告書
  • [学会発表] Molecular interaction between depression and circadian behavior2007

    • 著者名/発表者名
      高野 敦子
    • 学会等名
      2nd World Congress of Chronobiology
    • 発表場所
      日本・東京
    • 関連する報告書
      2007 実績報告書

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公開日: 2006-04-01   更新日: 2016-04-21  

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