研究課題
若手研究(B)
大脳基底核の神経回路特異的な細胞同定と機能調節のために、vesicle-associated membrane protein 2(VAMP2), FK506-binding protein(FKBP)およびYellow Fluorosence Protein(YFP)の融合タンパクを発現させる導入遺伝子を作製した。直接路あるいは間接路の中型有棘細胞特異的にこの融合タンパクを発現させたトランスジェニックマウスを作製するために、サブスタンスPあるいはエンケファリンのプロモーター領域下流に導入遺伝子を組み込んだトランスジェニックマウスを作製した。導入遺伝子の発現を確認するために、トランスジェニックマウスの脳切片において蛍光タンパクに対する抗体を用いた組織染色を行ったところ、大脳皮質、線条体の介在性ニューロンなどに融合タンパクの発現が見られたが、研究目的の直接路あるいは間接路の中型有棘細胞には特異的な発現は見られなかった。一方、研究目的を達成するために、可逆的に神経伝達を阻止する方法(RNB法)も試みた。アデノ関連ウイルスを介した遺伝子導入システムを使用して、直接路あるいは間接路に特異的に破傷風毒素を発現させ、大脳基底核の神経回路特異的な機能調節の系を開発中である。この系を用いて研究を進めることによって、薬物依存における大脳基底核神経回路の分子機構を直接路と間接路のそれぞれで解明が進むことが期待出来る。
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Biological Psychiatry 印刷中
Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 104
ページ: 14501-14506
Molecular Psychiatry 11・2
ページ: 150-157