研究課題/領域番号 |
18790235
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
人類遺伝学
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研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
三宅 紀子 日本医科大学, 医学部, 技術主査補 (00421206)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2007年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2006年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | リソゾーム病 / 異染性白質ジストロフィー / AAVベクター / 血液脳関門 / 神経変性 / 新生時 / 遺伝子 / 脳神経疾患 |
研究概要 |
リソゾーム酵素欠損症(以下リソゾーム病)は、精製した欠損酵素を定期的に静脈注射する酵素補充療法の有効性が確認されている。しかし、アリルスルファターゼA(ASA)の欠損症である異染性白質ジストロフィー(MLD)のような神経変性を伴う疾患に対しては血液脳関門(BBB)の存在が大きな障害となり、有効な治療戦略が立てられていない。本研究ではMLDの神経症状を非侵襲的に治療する新しいアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターの開発を目的とし、細胞膜通過活性をもつているHIVのTat配列とASAのキメラ蛋白遺伝子をAAVベクターに組み込み、遺伝子導入効率、発現効率の高い8型組替えAAVベクターを作製した。このベクターを6週令のMLDモデルマウスに静脈注射し、血清中のASA蛋白の推移を検討したところ、静脈注射後2週前後で高濃度のASAが検出されるもその後徐々に低下し、1ケ月後には検出不可能となった。これらのマウスにはASA中和抗体の上昇が認められ、また、同じベクターを免疫不全マウスに静脈注射したところ、長期にわたり高濃度のASA蛋白が認められたことにより、免疫反応の関与が示唆された。これを克服すべく、同じベクターを用いて新生児のMLDモデルマウスに静脈注射したところ、長期にわたり血清中のASA蛋白が認められ免疫寛容が認められた。新生児においては免疫反応、BBBともに未熟であり、AAVベクターの新生時時期における静脈注射はMLDのような神経症状を伴うリソゾーム病に有用な治療法になると考えられた。
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