研究課題/領域番号 |
18790258
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
人体病理学
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
石川 文隆 東京女子医科大学, 医学部, 助教 (50385382)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2007年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2006年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 前立腺 / 潜在癌 / PSA / PSA F / T比 / 高齢者 / 剖検例 / Gleason grading system / 病理学 / 前立腺潜伏癌 / IGF-1 / Gleason grade / Gleason score / 全割標本 |
研究概要 |
[方法]148例の日本人男性剖検例の前立腺について全割標本を作製し、潜伏癌の頻度と病理組織学的特徴について検討した。また、生前に採取された血清119例からPSA、PSAF/T比を測定し、担癌症例、非癌症例との関係について比較検討した。[結果]潜伏癌は40%と高率にみられたが、担癌症例は非癌症例に比べて高齢者に多く(p<0.05)、80歳以上では53%ときわめて高率にみられた。潜伏癌は全例腺癌で、担癌症例は非癌症例に比べてPSAが高く、PSAF/T比が低かった(P<0.01)。また、緬積が100mm^2以上の翻は100mm^2以下の症例に比べて、(1)高齢者に多く、(2)両側性の頻度が高く、(3)Gleason scoreが高く、(4)Gleason grade5成分が多く、(5)神経周囲浸潤、被膜浸潤、精嚢浸潤の頻度が高かった(p<0.01)。このように癌面積が100mm^2以上は臨床的に意味のある癌と考えられ、これらの癌を検出するためにはROC曲線からPSAが3ng/mL、PSAF/T比が12%をカットオフ値とすると効果的であった。この場合のPSAの感度が69%、特異度が84%、PSAF/T比の感度が77%、特異度が90%であった。なお、PSAよりもPSAF/T比の方が癌を検出するのに有効なマーカーであった。しかし、面積100mm^2以下の微小癌を効果的に検出することはきわめて困難であり、PSA、PSAF/T比を用いて検出することのできる癌にはある程度の大きさが必要であることが示された。また、これらの微小癌は浸潤性因子に乏しいことから、臨床的に意味のない癌の可能性が高いと考えられた。[結論]面積が100mm^2以上の前立腺癌は臨床的に意味のある癌と考えられ、これらの癌を検出するためには、PSAが3ng/mL、PSAF/T比が12%をカットオフ値とすると効果的であることが示された。
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