研究課題/領域番号 |
18790310
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
細菌学(含真菌学)
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
飯田 健一郎 九州大学, 大学院・医学研究院, 助教 (00346777)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2007年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2006年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | Streptococcus pyogenes / 過酸化水素 / 乳酸再利用 / lactate oxidase / Streptococcus agalactiae / 電子伝達系 / menaquinone |
研究概要 |
Streptococcus pyogenesは過酸化水素産生性により産生/非産生の2グループに分けられる。本菌の過酸化水素産生性はlactate oxidase(LCT)が担っており、この現象はglucose枯渇後の乳酸再利用及びATP産生に関与することが示されている。過酸化水素産生株/非産生株共にほぼ完全なLCT遺伝子が存在するが、産生/非産生を分けるメカニズムは不明であった。前年度申請者らは、非産生株LCT遺伝子プロモーターの-35領域に4bpの挿入変異が存在することを見出し、この挿入配列を染色体上から取り除くことに成功したが、産生株と比較してLCTの活性は非常に弱いままであった。産生株と非産生由来のLCTはアミノ酸が2つ異なるので、産生/非産生両方よりLCT遺伝子を発現ベクターにクローニング、大腸菌に発現させることにより活性を比較した。その結果、非産生株由来のLCTは、アミノ酸変異により活性が著しく低下していることを見出した。さらに、2つのアミノ酸変異のうち、312番目のアミノ酸を変異(W312R)させると活性が産生株由来のLCT同等に上昇することを見出した。従って、S.pyogenes過酸化水素非産生株が過酸化水素を産生しない理由は、(1)プロモーターの-35領域に4bpの挿入変異を持つこと、及び(2)LCTのアミノ酸に変異を持つこと、この両方であることを明らかになった。以上の結果より、S.pyogenesに過酸化水素産生株と非産生株が存在する理由はほぼ完全に解明されたと考えられる。
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