研究課題/領域番号 |
18790311
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
細菌学(含真菌学)
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研究機関 | 独立行政法人理化学研究所 (2007) 九州大学 (2006) |
研究代表者 |
中川 竜介 理化学研究所, 免疫制御研究グループ, 研究員 (10360603)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2007年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2006年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | Galectin9 / lipopolysaccharide / prostaglandin E_2 / generalized Shwartzman reaction / interleukin / septic shock / cytokine / macrophage / polymorphonuclear neutrophil |
研究概要 |
Galectin9(Ga19)はマウス腹腔マクロファージ(Mφ)に対して、TNF-αとIL-6の生産を誘導し、樹状細胞に対してGa19は成熟または活性化を誘導することがわかった。また、肝臓Mφ細胞に対してはIL-12の生産を、好中球にはIL-6の生産を誘導し、自然免疫を高めることが示唆された。 一方、生体内での機能に関して、我々はリポ多糖(LPS)刺激により腹腔Mφの細胞内でGa19が生産されやがて分泌されること、in vivoでのGa19の腹腔内投与により好中球の腹腔への集積が観察され、さらにGa19は集積してきた好中球にプロスタグランジンE_2の生産を誘導することにより、LPS投与によるTh1サイトカインの生産を抑制するのに対しTh2サイトカインは生産が亢進することがわかった。加えて、このTh1サイトカインの生産抑制により敗血症モデルの一つであるシュワルツマン反応においてGa19を投与したマウスはショック死を回避でき、この効果はレクチン活性に依存するものであった。これらの結果よりGa19は本来感染等により生体が病原菌由来成分に暴露された際に刺激を受けたMφより分泌され、過剰なTh1サイトカインの生産を抑制し生体を敗血症より保護する機能があると思われる。また、Ga19を強制発現させたGa19トランスジェニックマウスでは、通常のマウスよりシュワルツマン反応におけるショック死に耐性がみられた。 サルモネラ菌弱毒株を大量に感染させる急性感染ではGa19の投与によりマウスはショック死を免れ生存できる。この結果から、Ga19によるTh1サイトカインの抑制や集積してくる好中球は菌の排除において急性感染時には有意に機能することがわかった。 IL-6はコンカナバリンA投与による肝炎を抑制する作用があり、Ga19誘導好中球によるIL-6の生産が、調節因子となっているのではないかと考えられる。
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