研究課題/領域番号 |
18790313
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
細菌学(含真菌学)
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
村上 泰介 順天堂大学, 医学部, 助教 (40384135)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2007年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2006年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 抗菌ペプチド / 敗血症 / リポ多糖(LPS) / CAP11 / HMGB1 / アナンダミド / Lipopolysaccharide / 自然免疫 / エンドトキシンショック |
研究概要 |
マクロファージ系細胞を用いた18年度のin vitroの実験を受けて、19年度はCAP11が生体内でも同様に敗血症性ショックメディエーターの産生を抑制するかどうかを検討した。方法として、C57BL/6マウスにD-ガラクトサミンとLPSを腹腔内投与することでエンドトキシンショックを誘発した。72時間まで生存を観察するとLPS単独の場合はほぼ全例が死亡したが、CAP11を同時に投与すると濃度依存的に生存率を改善した。また投与後5時間に心臓採血し、血清中のサイトカインを測定したところ、LPS単独ではTNF-α、IL-6、およびMCP-1が増加していた。また、敗血症性ショックにおける臓器障害の新たなメディエーターと考えられるHMGB1がLPS投与によって血中に多量に放出されていることが分かったが、CAP11はこれらサイトカイン、HMGB1の上昇を濃度依存的に抑制した。一方、アナンダミドは、より高感度なLC-MS/MSにより測定を行ったが、LPS投与後1時間、5時間では有意な変化は観察されなかった。 また、CAP11の作用メカニズムを詳細に検討するために、腹腔マクロファージへの蛍光標識LPSの結合をフローサイトメトリーで解析したところ、CAP11によって、LPSの結合がほぼ完全に阻害されていることが分かった。また、血液中のLPS濃度を測定すると、LPS単独投与では多量のLPSが血中に移行していたが、CAP11はこの移行も抑制していることが分かった。 以上の結果から、CAP11は標的細胞へのLPSの結合、LPSの血中への移行を抑制することで炎症性サイトカイン、HMGB1等のメディエーターの産生を抑制し、これによってエンドトキシンショックに対して防御的に働くことが示唆された。また、敗血症性ショックの初期メディエーターと考えられているアナンダミドは、この系にはあまり関与しないことが考えられた。
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