研究課題/領域番号 |
18790329
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
ウイルス学
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研究機関 | 藤田保健衛生大学 |
研究代表者 |
河本 聡志 藤田保健衛生大学, 医学部, 助教 (60367711)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2007年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2006年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | ロタウイルス / リバースジェネティクス / トランスフェクション / ヘルパーウイルス / 組換えウイルス / ロタウィルス |
研究概要 |
ヘルパーウイルスを用いて11本のうち1本のゲノム2本鎖RNA分節がcDNAに由来する組換えロタウイルスの作製を試みている。最初の弱毒生ロタウイルスワクチンが1998年に開発されたものの、腸重積の副作用の為に市場から撤退した。2006年にも2種の生ワクチンが開発されたが、多様な血清型のヒトロタウイルスに普遍的に効率的な防御能を示すかどうかは、今後の経過を待たねばならない。そこで、新たな世代のロタウイルスワクチンの開発に向け、リバースジェネティクス系を用いてロタウイルス表面エピトープに部位特異的変異を導入し、異なる血清型由来の交叉反応性中和エピトープをキメラに発現する人工組換えロタウイルスの作製を目指した。まず、サルSA11株(P[2])のVP4遺伝子交叉反応性中和エピトープII配列をヒトDS-1株(P[4])に置換したプラス鎖RNA発現プラスミドを構築した。このプラスミドをT7 RNAポリメラーゼを発現する組換えワクシニアウイルスを感染させた細胞に導入し、ヘルパーウイルスとなるヒトKU株を重感染させた後に、KU株に対する特異的中和モノクローナル抗体存在下で培養を行うことで、KU株をベースとし、cDNA由来のVP4キメラ分節を持つ組換えロタウイルスを単離した。VP4交叉反応性中和エピトープ上の5アミノ酸を置換することで、Pタイプ抗原モザイクを有する人工組換えロタウイルスを作製した。この組換えロタウイルスは、エピトープIIについては、P[4]特異的中和モノクローナル抗体と反応し、エピトープIおよびIIIについては、SA11と同様の反応性を呈した。これまでに我々は、ロタウイルス研究者の念願であったロタウイルスにおけるリバースジェネティクス系の開発に成功した。このことから、ロタウイルスにおいてもこの技術を用いて、これまで困難であったロタウイルスの複製機序、病原性を分子論的に解析することが可能となり、人工的な弱毒組換えロタウイルス作出の可能性を示した。現在、これまでに報告したゲノム分節以外へのこの技術の応用を試みている。さらに、この技術を発展させることでロタウイルスの11本で構成される分節ゲノムの全てがcDNA由来となる完全なる人工合成の感染性ロタウイルスの作出を目指したい。
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