研究課題/領域番号 |
18790345
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
免疫学
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研究機関 | 独立行政法人理化学研究所 |
研究代表者 |
山崎 哲 理化学研究所, サイトカイン制御研究グループ, 研究員 (30392161)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2007年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2006年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | マスト細胞 / 炎症性サイトカイン / 亜鉛ウエーブ / セカンドメッセンジャー / アレルギー反応 / 肥満細胞 / 亜鉛 / 細胞内情報伝達 / アレルギー / 脱リン酸化酵素 |
研究概要 |
本研究では、アレルギー反応の鍵として働くマスト細胞による炎症性サイトカインの産生における知見を新たに得る目的で、マスト細胞内の遊離亜鉛に着眼した。申請者は昨年度までに、亜鉛蛍光指示薬と蛍光顕微鏡を用いて細胞内遊離亜鉛を経時的に観察する手法を確立し、マスト細胞内の遊離亜鉛濃度が抗原刺激依存的により上昇する事を明らかにした。この現象を亜鉛ウェーブと名付けた。この亜鉛ウェーブは、カルシウム濃度の上昇とRas-MAPKシグナル伝達経路の活性化依存的に、核周辺の小胞体近傍から起こる事を明らかにした。この亜鉛ウェーブはチロシン脱リン酸化酵素の活性を抑制することで炎症性サイトカインIL-6やTNF-αの産生に関与している可能性を明らかにした。しかしながら、核周辺部から亜鉛が放出される機構や、放出された亜鉛が標的タンパク質に作用する分子機構については不明であった。そこで、カルシウム依存的なMAPKの標的タンパク質を2次元電気泳動で同定を試み、いくつかの候補タンパク質についてsiRNAで発現を低下させ亜鉛ウェーブが抑制されるかどうかを検討した。現在のところ、亜鉛ウェーブを抑制するタンパク質は同定されていない。また、亜鉛トランスポーターのノックアウトマウス由来のマスト細胞を用いて亜鉛ウェープが抑制されるかどうかを確認したが、現在までに確認した中で亜鉛ウェーブが抑制されるものは見つかっていない。この先、亜鉛ウェーブの制御機構が明らかになることで、アレルギー反応の制御につながる知見が得られることが期待できる。
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