研究課題/領域番号 |
18790352
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
医療社会学
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
緒方 泰子 千葉大学, 大学院・看護学研究科, 准教授 (60361416)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2007年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2006年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 危機管理 / 社会医学 / 高齢者 / 在宅療養 / 薬物療法 / 在宅医療 |
研究概要 |
医療機関内の安全管理では、薬物療法に関するエラーは、予防しうる最も重要なエラーとして焦点化され取り組まれている。しかし、在宅療養においては、その安全で効果的な実施は、介護者や要介護者自身の能力に委ねられている部分が少なくない。 そこで本研究では、個人の能力に加え、環境やケアプロセス全体の中で療養生活を捉え、安全な薬物療法の自己管理を阻害する要因と対応策のあり方を検討した。方法としては、文献検討や訪問系サービス提供者(訪問介護・訪問看護等)等への聞取り調査、全国の訪問介護事業所から無作為抽出した1000か所を対象とした郵送調査を行った。 その結果、提供者側による処方を含めた薬剤管理(高齢者にとって不適切な薬剤の使用を控える、重複投与の管理等)の観点、処方後のコンプライアンスに関わるエラー予防の観点等から実態を整理できると考えられた。 高齢者の薬物療法では、生理的な薬剤耐性、高齢者に特有の病態、投薬に対する意識(コンプライアンス)等が副作用と関連していると考えられている。副作用による影響回避には、Beer's Criteria等65歳以上の高齢者に不適切とされる薬剤の使用実態を明らかにしていく必要性、薬剤数の管理等の重要性が確認された。 処方後のコンプライアンスでは、訪問系サービスによる支援が重要な役割を担い、サービス提供者個々の知識と対応・組織内での情報共有・管理のあり方、多職種連携の重要性が明らかになった。特に介護保険利用者では、介護支援専門員の薬物療法に対する意識や連携のノウハウが効果的な多職種連携の鍵を握るであろうこと、訪問回数の多い訪問介護サービスの役割及びそれらと連携する医療系サービスの役割の重要性が確認された。また、コンプライアンスは、年齢、認知能力、薬の数等が関連しているといわれており、高齢者個々の認知能力や本人・同居介護者の協力による影響が少なくないことが再確認された。
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