研究概要 |
平成19年度は,平成18年度に作成した携帯電話のメール機能を利用したメーリングリストのシステムを利用し,学生の協力を得て更なる試験を実施した.学生の反応は即時応答性が高いことが実証され,またテュートリアル形式の授業の評価コメントを送ったり,授業の宿題など重要なお知らせを通知したりといった使用法については,学生へのアンケートの結果,学生にとっては有用性が高いことが判明した. 携帯電話のメール機能を学生への連絡や呼び出しに使うという方法について,学生側の通信費の負担感について調査を行った結果,データ(パケット)量の多いWeb形式よりはメールの方が負担感は少ないものの,ある程度考慮して欲しいという意見が大勢であった.ただし,自分にとって有用な情報は紙の掲示だけでなく携帯メールにも送って欲しいという意見も多く,通信費の問題はあるものの,一方で学生の欲しがる情報を与えていれば,他方で教育目的の活用も受け入れられるであろうという示唆を得た.本学では学生個人のノートパソコンを必携化しているため,通信費の負担が理由で携帯電話のメール機能を利用したくない学生は,本学より付与されるパソコンの電子メールアドレスを利用すればよく,メール機能を教育目的に利用する基盤は整っていると考えられた. 平成19年度は更に,簡易なMCQなどの小テストをメールとして発信し,その返信を自動収集・集計する機能を新たに追加して,学生に対してその使い勝手や有用性について検証を行った.検証の結果,Questionメールに対するAnswerメールの対応付けに大きな問題があることが判明した.例えば,複数の教員から同学年の学生に同時期にQuestionメールが発信された場合に,学生がそれぞれに回答した時,どのメールがどのQuestionに対応しているかの判断をどのように解決するか,という問題である. この問題に対し,本文の先頭にQuestionを一意にする番号(制御コード)を付加し,返信時にもそれをそのまま付けた形で返す方式を採用したが,学生側がこれをよく理解していないため,この制御コードを返信時に削除してしまう事態が多発してしまった.他の方式も検討したが,いずれも学生に周知しておかなければならない何らかのルールを設定する必要があり,メールのみでは最良の解決策は考えられなかった.したがって,小テストについてはメール内にWebページへのリンクを掲載し,Web側で回答させるのがよりよい解決方法ではないかという結論に至った.
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