研究課題
若手研究(B)
我々は、抗CCP抗体に関節リウマチの診断能に関してメタアナリシスを行い、診断能の客観的評価を行った。37の抗CCP抗体研究と50のRF研究から、感度、特異度、陽性・陰性尤度比をまとめた。抗CCP抗体についてプールされた感度、特異度、陽性・陰性尤度比はそれぞれ67%、95%、12.46、0.36であった。IgMRFに関する値は、69%、85%、4.86、0.38であり、抗CCP抗体のほうがより優れていることを見出し、報告した。(Ann. Intern Med.2007 Jun 5;146(11):797-808)この論文に関しては、臨床上有用であるとしてACPジャーナルクラブなどに引用されている。しかし、この論文においては、早期診断に関する検討が充分ではなく、また予後評価に関しても定性的レベルにとどまっていた。以上の反省から早期関節リウマチに関しても検討を行い、プールされた感度、特異度はそれぞれ56%と96%であり、IgMRFに関する値は、62%と87%であり、AUCで比較した場合有意に抗CCP抗体が優れていることを見出している。更に、予後予測因子としてもCCP陽性者のRAの発症リスクはオッズ比9.68と高く、関節破壊に関してもオッズ比4.72と高いことが明らかになった。以上の結果に関しては2007年のアメリカリウマチ学会で報告した。また、神戸大学における検査データを用いて、データマイニングを行い、従来救急領域などで感染症マーカーとして注目されてきたプロカルシトニンを自己免疫疾患において応用し、従来感染症と活動性の自己免疫疾患との弁別が零難であったCRPに代わり、明確に弁別することが可能であることを証明し、免疫抑制状態の患者の感染症モニタリングに発症早期において極めて有用であることを証明した。(J Reumatol. 2008 Jan; 35(1):114-11)
すべて 2008 2007
すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (3件) 図書 (1件)
The Journal of Rheumatology 35
ページ: 114-9
Annals of Internal Medicine 146
ページ: 797-808
Modern Rheumatology 17
ページ: 447-9
臨床病理 55
ページ: 388-96
Annals of Internal Medicine (in press)