研究課題/領域番号 |
18790371
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
病態検査学
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研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
常吉 直子 佐賀大学, 医学部, 客員研究員 (80336114)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2007年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2006年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 感染症 / 自然免疫 / エンドトキシン / ELISA / 抗体 |
研究概要 |
細菌感染症で最も重篤な状態が敗血症であり、その中でもエンドトキシンショックは死亡率が高い。エンドトキシンの本態は、グラム陰性菌の細胞壁外膜を構成するlipopolysaccharide(LPS)である。LPSの認識はToll-like receotor(TLR)ファミリーの中のTLR4およびその会合分子であるMD-2が行っている。MD-2は血中に分泌型としても存在し、単独でLPSに結合できることから、血中に存在する遊離型のMD-2が抗原提示細胞の応答を制御している可能性が考えられる。従って、MD-2は、感染症などの場合には血中に分泌タンパクとして増加し、病態に影響を与えているかもしれない。本研究では、血中MD-2の測定系をELISA法を用いて確立し、MD-2の発現を指標とした敗血症診断法の開発および予後解析を目指す。 我々はすでに、高純度のMD-2リコンビナント精製タンパクの調整に成功した。これを免疫原として用い、MD-2ノックアウトマウスに免疫することで、MD-2に対するモノクローナル抗体の作成を試みているが、未だ確立できていない。しかし、TLR4/MD-2複合体を発現するトランスフェクタント細胞を抗原として、MD-2ノックアウトマウスに免疫することで、TLR4/MD-2複合体を認識する抗体を作製することができた(Hybridoma, 26:393,2007)。ヒトに対するアンタゴニスト抗体も3種類確立でき、敗血症や炎症疾患における治療への応用を模索している。現在はTLR4/MD-2ダブルノックアウトマウスのバックグラウンドを、よりモノクローナル抗体作製に適しているBALB/cマウスに変更し、抗体作製を試みている。TLR4/MD-2複合体に対するアゴニスト、アンタゴニスト抗体は、様々な疾患に対する治療としての可能性が期待でき、医療に貢献できると考えられる。
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