研究課題/領域番号 |
18790388
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
衛生学
|
研究機関 | 浜松短期大学 (2007) (財)労働科学研究所 (2006) |
研究代表者 |
青柳 直子 浜松学院大学短期大学部, 幼児教育科, 講師 (80414100)
|
研究期間 (年度) |
2006 – 2007
|
研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
|
配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2007年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2006年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
|
キーワード | 慢性疲労評価 / 心身負担 / ストレス / 身体活動 / 社会医学 / 医療・福祉 |
研究概要 |
長時間労働や変則的な夜勤交代勤務などの過重労働は、労働者の精神的・身体的負担を増長させている。これらにともない発現する著しい心身の疲労感や睡眠障害の慢性化は、精神疾患や循環器疾患の発症要因とされるため看過できない現象である。そこで、本研究では、身体活動、気分・身体症状および認知機能をその場でリアルタイムに長期に測定する簡便な生態学的・経時的手法を用いて、労働負担として現れる慢性疲労兆候を適切に評価しうる指標の確立を目的とした。今年度は、夜勤時に特徴的な気分・身体症状、認知機能と身体活動パターンとの関連について検討を行った。対象者は二交代制勤務看護師17名であった。結果は以下の通りである。(1)身体活動データ(手首部位の加速度のゼロ交差数)を基に算出した睡眠関連指標においては、仮眠休憩を取得する迄の連続勤務時間が長いほど仮眠時の睡眠潜時は有意に長かった(p<0.01)。一方、仮眠時の睡眠時間および睡眠効率では有意な差はみられなかった。(2)勤務時間の経過に伴う気分・身体症状の変化については、仮眠休憩を取得するまでの連続勤務時間が長いほど仮眠休憩前での集中力低下が著しく、仮眠休憩後では持続的注意集中機能がより低下(正答率低下、反応時間遅延、見逃しエラー数増加)し、心身機能の回復度が低い様子が観察された。これらの結果は、長時間夜勤労働の心身機能への影響は、仮眠休憩取得時刻により異なる可能性があり、仮眠休憩取得時刻が勤務時間後半となる場合には、心身機能への負担がより大きくなることを示唆するものであった。夜勤労働負担について生態学的・経時的評価手法に基づき多角的かつ定量的に評価を行った本研究の結果により、心身の不調という主観的な症状に対応する客観的な兆候を、身体活動パターンの分析および身体活動関連指標により明らかに出来る可能性が示唆された。
|